心理学が解き明かす、言い訳の意外な効果と4つのタイプ
誰もが一度は経験する「言い訳」。
遅刻した時、約束を破った時、ミスをした時など、私たちはついつい言い訳をしてしまうものです。
しかし、なぜ人は言い訳をするのでしょうか?
今回は、心理学の視点から、誰もがする「言い訳」の4つの理由を深く掘り下げていきます。
言い訳は悪いことなのでしょうか?
それとも、人間の本質的な一部なのでしょうか?この記事では、言い訳に対するこれまでの常識を覆し、新たな視点から「言い訳」という行動を考えていきます。
第1章:自己保全の心理 – 責任から逃れたい、自分を良く見せたい
人は誰でも、自分のことを良く思いたいという気持ちを持っています。
そのため、失敗や過ちを犯した時、その責任を自分ではなく、外部の要因に転嫁しようとする傾向があります。
これが、自己保全の心理です。
- 責任回避: 失敗の原因を自分ではなく、状況や他人に求めることで、心の痛みを軽減させようとする。
- 例:「電車が遅れて遅刻した」「上司が指示を明確にしてくれなかったからミスしてしまった」
- 自己肯定感の維持: 失敗しても、自分の価値を下げないように、言い訳をして自分を正当化する。
- 例:「今回は運が悪かっただけ」「私は本当はできるのに、今回はたまたま失敗してしまった」


第2章:社会的承認欲求 – 他人に良く思われたい、印象を良くしたい
人は社会的な生き物であり、周囲の人から認められたい、好かれたいという欲求を持っています。
そのため、自分の行動が周囲から批判されたり、否定されたりすることを恐れ、言い訳をして印象を良く見せようとするのです。
- 他者からの評価を恐れる: 否定的な評価を受けることを避け、良好な人間関係を維持したい。
- 例:「みんながやっているから私もやってしまった」「他の人もそうしているから、私も同じようにしても良いだろう」
- 印象操作: 自分のイメージを良く見せかけるために、都合の悪い事実を隠したり、美化したりする。
- 例:「忙しいから仕方ない」「ちょっと体調が悪かったから」
第3章:認知的不協和の解消 – 行動と信念のギャップを埋める
人は、自分の行動と信念が一致している状態を好みます。
しかし、実際には、行動と信念が食い違う場面も少なくありません。
このような状態を「認知的不協和」と言います。この不協和を解消するために、人は様々な方法を用いますが、その一つが「言い訳」です。
- 行動と信念のギャップを埋める: 自分の行動を正当化することで、心の平安を保とうとする。
- 例:「本当はタバコをやめたいけど、ストレスが溜まっているから仕方ない」「ダイエット中だけど、今日は特別だから少しだけ食べてもいい」
- 自分を納得させる: 自分の行動を正当化することで、自己肯定感を維持する。
- 例:「私は悪いことをしたつもりはない」「これはやむを得ないことだった」
第4章:感情的な反応 – 怒り、不安、恐怖から逃れたい
人は、怒り、不安、恐怖などのネガティブな感情を経験すると、それを回避したり、軽減させようとする傾向があります。
言い訳をすることも、このような感情的な反応の一つと言えるでしょう。
- 怒り: 他人を責めることで、自分の怒りを正当化する。
- 例:「あいつのせいだ」「私が悪いわけがない」
- 不安: 不安な気持ちを解消するために、自分に都合の良い解釈をする。
- 例:「きっと大丈夫」「今回は失敗したけど、次は上手くいくはず」
- 恐怖: 恐怖心を克服するために、現実から目を背けようとする。
- 例:「そんなこと、ありえない」「私は大丈夫だ」
まとめ
言い訳は、一見すると否定的な行為のように思われますが、心理学的な視点から見ると、自己保全、社会的承認欲求、認知的不協和の解消、感情的な反応といった、人間の本質的な心理が深く関わっていることがわかります。
言い訳をすることは、決して悪いことではありません。
むしろ、人間が持つ自然な反応と言えるでしょう。
大切なのは、自分の言い訳に気付き、その背景にある心理を理解することです。
言い訳をする自分を責めるのではなく、なぜそのように考えてしまうのかを客観的に分析することで、より建設的なコミュニケーションが可能になります。


